王子様の危険な恋愛領域
下された彼女命令
「ふぁ……」
翌日の学校。
この日本史の授業が終われば、お昼休みが待っている。
頑張らなくちゃ…と思いながらも、私の瞼はとても重い。
黒板にスラスラと字を書いている先生の背中を見ながら、欠伸を零した。
「フッ、でっけぇ口開けて欠伸してるな、紗姫。」
小さな声に反応して隣に視線を向ければ、淳也が可笑しそうに笑っていた。
「な、何よ…。見てたの?」
「ああ。ってか、お前…朝から欠伸ばっかりしてんじゃん。学校に来たのも珍しく遅刻ギリギリ。何かあったのか…?」
「べ、別に何も…。面白いテレビ番組を観ていて、夜更かししただけ…。」
淳也の質問に、ぎこちなく答えを返した。
夜更かしをしたのは本当。
でも、その理由は全く違うんだよね…。
昨日の出来事が頭の中に浮かんだ。