王子様の危険な恋愛領域
お母さんの呼び止める声に、光琉が振り返る。


私もビックリして、お母さんの方に視線を向けた。


「少し、話したいことがあるんだけど、ちょっと時間もらえないかしら…。」


「は、はい…。」


「ありがとうっ!さあ、中に入って!ほら、紗姫も!」


「えっ、あ……うん。」


ニコニコしながら手招きするお母さんに、ぎこちなく言葉を返す。


なんだろう…。


光琉に話したいことって…。


疑問に思いながら光琉と一緒に家の中へ。


「皆辻君、座って!紗姫もね!」


リビングの中に入ると、お母さんは私たちをソファーに座るよう促した。


「お母さん、光琉に話って…何?」


「今朝、紗姫に話そうと思って、話せなかったこと!あれ、皆辻君にも話そうと思って。」


あ…。


そういえば、朝…何か話があるみたいだったよね…お母さん。


私、話を聞けるほど気持ちに余裕がなくて、後回しにしてたんだった…。


でも、私だけじゃなくて…光琉にも聞いて欲しいって、一体…どんな話?


ますます不思議に感じていると、お母さんは嬉しそうな笑顔を浮かべた。


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