王子様の危険な恋愛領域
「紗姫、お母さん…来週の一週間はお父さんのところに行って来るから、よろしくね!」


「えっ、イギリスに!?」


「うん。来週は私たちの結婚記念日があるから、たまには二人で過ごそうと思って。」


「ああ、ここ数年の恒例だよね。了解、行ってらっしゃい!」


私は、ヒラヒラと手を振った。


「えっ、紗姫のお父さんって…イギリスにいるのか?」


「う、うん…。数年前に海外転勤になっちゃったんだ…。来年には戻ってくるみたいなんだけどね。」


驚く光琉に頷きながら事情を説明した。


そう……。


お父さんは、今…海外で仕事をしている。


なかなかお父さんに会えなくて寂しいお母さんは、せめて結婚記念日は一緒に過ごしたい…ということで…


この時期は、お父さんのいるイギリスに行くんだ…。


私と梨帆は、お留守番。


まあ、せっかくの結婚記念日だから邪魔したくない…っていうのもあるし、授業もあるからね…。


「それじゃあ、私と梨帆はいつものように叔母さんの家に泊まらせてもらう…ってことでいいんだよね?」


「そう、そのことなんだけど……」


お母さんは、苦笑いを浮かべた。


< 226 / 295 >

この作品をシェア

pagetop