王子様の危険な恋愛領域

「来週は紗姫と同居か…。一週間だけど、楽しみだな。」


「いきなりあんなお願いして…ごめんね。面倒だったら、遠慮なく断ってくれていいんだからね？」


「面倒だなんて思ってねぇよ。」


「で、でも…都合が悪くなったら言ってね。やっぱり嫌だって思ったら、放棄してもらっても構わないし。」


「………。」


光琉は眉を少ししかめる。


不満げな表情を浮かべた。


「紗姫、俺と一緒に過ごすの…嫌なのか？」


ジロリ…と見つめられ、肩が跳ねた。


「あ、いや…えっと、そういうわけじゃないんたけど、光琉…慣れない家で一週間も過ごすのは大変じゃないかと思って。」


最大の理由は、私の心臓が光琉に対するドキドキに耐えきれないんじゃないかっていう不安なんだけど……


本当のこと言っても、光琉…あっさりと受け流しちゃいそうだもんね…。


今の言葉で、同居のこと…考え直してくれないかな…。


私の心臓のためにも…。


期待を抱いていると、光琉はニヤリと笑みを浮かべた。



「それなら、紗姫が俺の家に泊まりに来る？」