王子様の危険な恋愛領域
「さあ、どっちを選ぶ?」


さっきよりも距離が近っ……!


おでこ、思いっきり触れてるし…!!


心の中で“ひゃああっ”という悲鳴が何度も飛び交う。


暴れる鼓動の音が体中に響く中、私はドキドキのせいで震える唇をゆっくり開いた。


「え、えっと……」


「ん?」


「私の家で…いいです。」


「つまり、当初の通り…俺が紗姫の家に泊まりに行くってことでいいんだよな?」


「う、うん……。」


どちらか選べ…と言われたら、その方がいい。


光琉の家なんて行ったら、一週間…どうしていいか分からなくなりそうなぐらい、緊張するに決まってる…。


ドキドキし過ぎて、ある意味…ものすごく疲れそうな気がするもん…。


それなら、まだ…私の家に来てもらった方がマシだよね…。


自分の出した結論に納得していると、光琉は、くっつけていたおでこを離す。


そのまま顔を離してくれるのかと思いきや…


「……っ…」


私の唇に優しく口付けた。


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