王子様の危険な恋愛領域
「了解。来週、よろしくな。」


柔らかい笑顔が向けられ、ドクン…と胸が高鳴る。


キスの余韻でジンジンと熱を帯びる唇を手で覆いながら頷いた。


上手く言いくるめて…来週は一人で乗り切ろうと思ってたのに…


見事に失敗……。


結局、ニ択で…どちらかを選ばざるを得ない状況に追い込まれちゃった…。


いつもながら、すさまじい強引っぷりだな。


光琉らしい…。


“じゃあ、またな”と満足げに笑って、帰って行く光琉の後ろ姿を見ながら、そんなことを考えていた。


一週間、光琉と同居するのかぁ…。


ほんの少しの間とは言え、好きな人と一つ屋根の下…。


今から、半端ないくらい緊張しちゃうんですけど…!!


私、自然に振る舞える自信…全くないよ。


来週のことを考えるだけで、鼓動がどこまでも加速してしまいそうな気がした。


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