王子様の危険な恋愛領域
「それじゃあ、お母さんも見送ったことだし、私たちも…そろそろ学校に行く?」
「ああ、そうだな。でも、その前に…する?」
「“する”って、何を…?」
学校に行く準備のこと…?
でも、私も光琉も既に準備万端なのに…。
意味がよく分からなくて首を傾げると、光琉はフッと可笑しそうに笑った。
「そういうとこ、マジで鈍いよな。」
「えっ…?」
「“する?”ってのは、これのこと。」
それと同時に塞がれた私の唇。
突然…甘い温もりに触れられて、鼓動が思いきり跳ね上がった。
「そ、それなら…“キス”って言ってよ。驚いたじゃない…。」
「普通、あの話の流れで推測できるだろ?分からなかった紗姫が悪い。」
「っていうか、私の答えを聞く前にキスするなら、質問する意味ないと思うんだけど…!」
「質問の意味を理解してなかったから、俺の好きにさせてもらった。俺は、キスしたかったから。」
なんたる、強引な光琉の理論。
いきなりキスされる私の身にもなってよね…。
唇が焼けそうなほど熱いよ…。