王子様の危険な恋愛領域

キーンコーン……


しばらくして、授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響く。


ふぁ…と大きな欠伸をしていると、亜弓ちゃんがお弁当箱を持って、私の席にやって来た。


「ねぇ、紗姫!今日も良い天気だし、たまには中庭でお昼ご飯食べない?」


「うん、そうだね!」


コクンと頷く。


私は、お弁当箱の入った小さなバッグを持って、亜弓ちゃんと一緒に教室を出た。


校舎の真ん中に位置する中庭。


中央には大きな円形の花壇があり、色んな種類の花が植えられていて、とても綺麗。


お昼休みや休み時間、放課後など…。


生徒にとっての憩いの場所になっている。


「紗姫、あそこに座ろっか!」


中庭にやってきた私たちは、花壇の周りを囲むようにしていくつか置かれている、木製のベンチの一つに座った。



見上げると、雲一つない青空が広がっている。


爽やかな風が頬を撫でた。


気持ちいい…。


深呼吸をした後、お弁当箱を膝にのせた。



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