王子様の危険な恋愛領域
「それで、今年も親戚の叔母さんの家に泊まるのか?」


「ううん、叔母さん…ケガで入院しちゃったみたいなの…。だから、今年は…梨帆は友達の家に泊まって、私は自宅で過ごすことにしたんだ…。」


事情を説明すると、淳也は少し心配そうな表情を浮かべる。


「そっか…。それなら、夕飯の準備とかも大変だろうし、なんなら…俺の家に食べに来ればいいじゃん。」


「えっ…」


「昔からの付き合いなんだし、遠慮すんなよ。な?」


淳也、気遣ってくれてるんだ…。


優しいな…。


きっと、一人で過ごすんだったら…今の言葉に甘えて、淳也の家にお邪魔していたかもしれない。


だけど、今年は…光琉がいるから…。


「ありがとう…。でも、大丈夫…。」


「あっ、夜も一人ってのは物騒じゃねぇか?良かったら、俺の家に泊まれよ。全然、迷惑じゃねぇからさ。」


「あ、あの…」


「マジで遠慮すんなって。」


淳也、私が遠慮してると思ってる…。


ちゃんと、事実を言わなくちゃ…。


「淳也、あのね……」


話を切り出そうとした時だった。




「俺の女に気安く話し掛けるの、やめろよ…。」

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