王子様の危険な恋愛領域
わわっ…!!


こんなところで恥ずかしいっ…!


周りに、着替えている女の子たちが何人もいるっていうのに…。


「あれっ?紗姫、顔…赤いよ?」


「えっ!?」


亜弓ちゃんがヒョコッと隣から顔を覗き込む。


「大丈夫?まさか熱あるんじゃない…?」


ジーッと見つめられ、私はフルフルと首を横に振った。


「ううん、熱は無いから大丈夫だよ!」


「そう?」


「うん!平気っ!」


亜弓ちゃんに笑顔で言葉を返した私は、大急ぎで制服に着替える。


「それじゃあ……私、先に行くね!」


「えっ、紗姫!?」


キョトンとしている亜弓ちゃんに手を振りながら、更衣室を飛び出した。


はぁ……。


まだ熱い…。


お昼休みのことを頭の中に浮かべただけなのに、こんなにドキドキするっていうのは…


それだけ、光琉のことが“好き”なんだよね…。


火照る頬に手を当てた時だった。




「紗姫…。」




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