王子様の危険な恋愛領域
光琉、友達とお昼を食べる…って言ってたけど、やっぱり…私と一緒じゃ気まずいんだろうな…。
とにかく、光琉に“好き”の気持ちをあらためて伝えるためにも、まずは…お昼休みに淳也と話をしなくちゃ…。
教室に入ると、淳也は席に着いていた。
「じゅ、淳也…おはよう。」
「ああ、おはよ…。」
声を掛けると、淳也は顔を上げてくれたけど、すぐに視線を逸らした。
「あの、淳也……」
「ん?」
「今日のお昼休みなんだけど、ちょっと屋上に来てもらってもいい?話、あるんだ…。」
淳也の眉がピクリと上がる。
少し沈黙した後、淳也は小さく頷いた。
「分かった…。」
視線は逸らしたままだったけど、ちゃんと了承してもらえて良かった…。
ほんの少しホッとしながら席に着いた。