王子様の危険な恋愛領域
そして、お昼休み。
すぐに屋上へと行き、淳也を待つ。
朝と同じ、雲一つない青空をボンヤリと見上げていた時、屋上のドアが開く音が聞こえた。
「悪い、待たせた?」
やって来た淳也に首を横に振る。
「ううん、私も…今来たところだから。」
「そっか…。」
淳也は呟くように口にすると、チラリと私の方に目を向けた。
「あ、あのさ……昨日は色々と悪かった…。俺、自分のことばかり考えていた。紗姫の気持ちとか…何も考えてなかったからさ…。」
「私の方こそ、ごめん…。今まで淳也が私をどう思ってくれてるのか気付けなくて…。それに、昨日は…淳也に何も言わずに、先に帰っちゃったし…。」
「それは、紗姫のせいじゃねぇだろ?無愛想王子に連れ出されたんだから。」
「そ、そうだけど……。」
視線が重なったけれど、淳也は直ぐに逸らす。
あまり、会話をしたくなさそうな雰囲気だけど、引き下がるわけにはいかない。
私は、深呼吸をしてから口を開いた。