王子様の危険な恋愛領域
お昼ご飯より皆辻君…。
ファンだけあって、さすが…。
私は関心しながら、ご飯を口に運ぶ。
でも、お昼ご飯を食べ進める女の子は私だけ…。
中庭にいた他の女の子たちも皆辻君のもとへと駆け寄っていく。
ふと気付けば、中庭を囲むようにして建っている校舎の窓から、たくさんの女の子たちが皆辻君の方に視線を向けていた。
1階から3階の窓が、女の子たちで埋めつくされている光景は、ここから見ていて圧巻だ。
そこまでして、皆辻君を見たいのか…。
目をハートにしながら“王子”と叫ぶ女の子たち。
あんなヤツのどこが“王子様”なのよ…。
不満を燻らせながら皆辻君の方を見ると、バチッと目が合った。