王子様の危険な恋愛領域
「じゃあ、光琉…お昼は友達と食べてないの?」
「ああ。この部屋に来て…ずっとベッドに体を預けて、必死に考えてた。」
「何を……?」
「紗姫の心を、どうやって引き留めればいいか…。」
心臓が大きく跳ね上がって、体を震わせる。
「だけど、いい考えが浮かばなくて…焦りまくってた。そのまま時間だけが…あっという間に過ぎてさ、気付けば放課後になってたんだ。
紗姫が来るギリギリまで悩んでたけど…答えは出なくて、本当…どうしようかと思ってたんだ。」
「…………。」
光琉は、私に呆れたりなんかしてなかった…。
私が原因で、気まずくなったのに、ずっと私のことを想ってくれてたんだ…。
胸にジワリと温かいものが広がるような感覚がした。
「だ、大丈夫だよ…。私が恋してるのは光琉だけだから。これからも、ずっと傍に居たいな…って思う、大切で特別な男の子だし…。」
ドクンドクン…と高鳴る鼓動。
顔のみならず、耳まで熱くなってしまった。