王子様の危険な恋愛領域

なんだか、光琉の笑顔…とても久しぶりに見た気がする。


気まずい雰囲気になったのは昨日の夕方だから、笑顔を見てないのは約1日…。


とても長く感じた…。


だけど、今…光琉の笑ってるところ見ただけで、心が躍りそうなぐらい嬉しくなっちゃった…。


好きな人の笑顔って、こんなにも…心を甘い幸せで包み込んでくれるものなんだな…。


そう実感していると、光琉はゆっくりと唇を離した。


「紗姫、お前…涙が…」


「う、うん…。光琉の笑顔を見たら、嬉しくなって涙が出ちゃって……」


「そっか…。」


光琉は優しく笑うと、目元にキスを落として私の涙を拭う。  


「く、くすぐったい…。」


光琉の唇の感触に、思わず笑みを零すと、光琉は頭をクシャリと掻きながら視線を逸らした。


「紗姫、不意に…そういう笑顔を見せられると、俺の理性が揺らぐ。」


「えっ…?」


ただ、くすぐったいから笑っただけなんだけど…何か変だったのかな?


キョトンとしていると、突然…光琉は私を抱き上げた。

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