王子様の危険な恋愛領域
「ど、どうしたのっ!?」
訳が分からず戸惑う私の体を、光琉は部屋に置かれているベッドの上に倒した。
「そろそろ家に帰ろうかと思ったけど、ちょっと限界。」
「えっ…?」
「もっと紗姫に触れたいし、キスしたい…。」
「…………。」
「紗姫、いい?」
きっと、昨日の夜のことがあったから、私がイヤじゃないか…わざわざ聞いてくれてるんだ…。
「もちろん、いいよ…。」
カアッと熱くなる顔。
多分、真っ赤だ。
恥ずかしさのあまり、両手で顔を覆って隠そうとしたけれど、その手はあっさり退かされてしまった。
「隠すなよ。」
「で、でも……」
「その恥ずかしがってる顔も見たいから…。」
光琉はフッと笑って、唇を重ねる。
ゆっくりと感触を確かめるように、キスを繰り返す光琉。
「んっ……ふあっ…」
漏れる私の声が部屋に響いて、一層…鼓動のスピードを加速させた。