王子様の危険な恋愛領域
「紗姫の声、甘過ぎだな。」
「えっ…」
「そんな声聞くと、止められなくなる…。」
光琉は私の制服のワイシャツのボタンを半分ほど外す。
そして首筋に顔を埋めた。
「お前の全てが欲しい。」
「ひゃっ、ちょっと待っ…」
首筋と鎖骨に感じた唇の温度に、体がビクッと震える。
心臓が破裂しそうなほど、勢いよく跳ね上がった。
「……ダメ?」
首筋に埋めていた顔を上げた光琉と視線が絡まる。
吸い込まれそうなほど綺麗な瞳で見つめられ、私はフルフルと首を横に振った。
「だ、ダメじゃない…。」
苦しいほどドキドキしてるし、甘い雰囲気に心も体も溶けてしまいそうだけど…
光琉に触れて欲しい…って思っている私がいる。
それだけ、光琉が好きでたまらないんだ…。
「今の答え方も、可愛いな。」
嬉しそうに目を細めた光琉は、スッと指で唇をなぞる。
そして、再び唇を重ねようとした時…。
ピリリリ…と光琉の携帯の着信音が鳴り響いた。