王子様の危険な恋愛領域
「いきなり、ごめんな。」
「ううん。お、女の人の声がちょっと聞こえたけど……」
「ああ、今の…俺の妹。」
「えっ、妹さん!?」
思わぬ電話の相手に瞬きを繰り返す。
「なんかさ、明日の放課後…用事があって、俺たちの高校の近くに来るから、紗姫に会いたいらしい。」
「私に…!?」
「前々から、紗姫の話とか…妹に話したりしてたんだ。だから、紗姫に興味あるらしくて。」
あっ…。
そう言えば、以前…光琉が言ってたっけ。
妹がいるって。
私のこととか、話してくれてたんだ…。
ちょっと照れくさいけど、嬉しいかも。
「じゃあ、明日は妹さんに会えるの?」
「いや、断った。来週以降に延ばした。」
「えっ、どうして?私も光琉の妹さんと会ってみたいのに…。」
疑問に感じていると、光琉は私の額にキスをした。
「だって、今週は…俺たち同居してるじゃん。二人きりの時間が多い今週は、紗姫を独り占めしたいんだよ。」
照れてる光琉が何だか可愛くて、クスリ…と笑みが零れてしまった。