王子様の危険な恋愛領域
「今日から俺と付き合え。」
「は…?」
「俺の女になれ…って言ってんだよ。」
皆辻君の声が中庭に響く。
女の子たちの歓声が止まり、しーん…と静まりかえった。
なっ…。
何言ってるの……?
混乱して、頭が上手く働かない。
瞬きを繰り返していると、女の子たちから一気に悲鳴があがった。
『えーっ、王子が告白!?』
『なんなのよ、あの子!』
『信じられないっ!あんな平凡な子が王子に告白されるとか、有り得ないんですけど!』
『嘘だと言ってよ、王子!』
あちこちから色んな声が飛んでくる。
私たちに注がれる視線も凄まじい。