王子様の危険な恋愛領域
「わ、分かったわ…。その条件…受け入れる。」
「契約成立だな。」
涼しい表情の皆辻君だけど、どこか満足げな感じだ。
「このことは、他言無用。俺と紗姫だけの秘密だ。もしもバラしたら、お前の要求は無効になるから、そのつもりでいろよ?」
なんだか、軽く脅されてるような気が…。
そう思いながら、おそるおそる頷いた。
「そ、そっちこそ…付き合うフリが終わったら、その時は女の子たちの前で、ちゃんと私のこと…“彼女じゃない”ってハッキリ言ってよね!」
「ああ。でも…」
皆辻君は私の耳元に唇を寄せると…
「そうなる前に、お前の気持ち…変えるつもりだけどな。」
低い声で、そう囁いた。
「いっ…言っておくけど、気持ちなんて変わらないから。いつまでも女除けの彼女を演じるつもりないし。」
自信満々に主張する私に、皆辻君は苦笑いを浮かべる。
「お前、筋金入りの鈍感なんだな。」
「は?」
「まあ、いいや。これから少しずつ攻めて、奪ってやるよ。」
その言葉と共に、私の胸元を指差した。