王子様の危険な恋愛領域
「あの、これから支度するから…だいぶ待たせると思うの。だから、先に学校に行ってよ…。」
「別に構わねぇよ。いくらでも待つから。」
「だけど、待つのは退屈だと思うし……」
そう言った途端、皆辻君は首を横に振る。
「紗姫を待つ時間が退屈だなんて思わねぇよ。」
ジッと真っ直ぐ見つめられ、返す言葉がなくなってしまった。
退屈に感じないなんて、皆辻君は…待つのが苦じゃないタイプなんだろうか…。
あ…。
苦じゃないというよりも、一人で学校に行くと、女の子たちが群がってきて鬱陶しいから、何が何でも私と一緒に登校して女除けにしたいのかな…。
うん、きっと…それだな。
結論を導き出し、一人で納得した私。
とりあえず、着替えてこよう…と思い、部屋にダッシュ。
いつもよりスピードアップして制服に着替えた後、キッチンにて慌ただしく朝食をとる。
それから、身支度をキッチリ整えて、再び皆辻君の前にやって来た。