王子様の危険な恋愛領域
十分、関係あるってば!!
思わず声に出して叫びたくなったけど、心の中に留めた。
強く抗議して、皆辻君を不機嫌にさせたりしたら、“契約は無かったことにする”って言われかねない…。
学校中の女の子たちの誤解を早く解くためにも、ここは耐えなくちゃ…。
渋々ながら、皆辻君と手を繋いで歩く。
「…………。」
「…………。」
流れる沈黙の時間。
なんとも気まずい空気だ。
皆辻君と話したい…ってわけじゃないけど、無言のまま学校まで行くのも居心地悪い…。
気は乗らないけど、ちょっと話し掛けてみようかな…。
「あ、あの……」
「ん、何?」
皆辻君が私の方に視線を向けた。
「どうして、私の家の場所…知ってたの?」
私は一切、教えてない。
それなのに、どうして皆辻君が知ってたのか疑問だったんだよね。