王子様の危険な恋愛領域
「待て。鍵ならある。」
ズボンのポケットから取り出した鍵を、私の目の前で軽く揺らす。
そして、早速…鍵穴へと差し込んでドアを開けた。
鍵、持ってるのか…。
ここは学校だっていうのに、まるで自分の部屋みたいな感覚じゃん…。
自由過ぎる…。
唖然としながら中に入った私。
次の瞬間、目に飛び込んできた光景に、ビクッと肩が上がってしまった。
「えっ!?ベッドで誰か寝てる…。」
二つ並んだ簡易ベッド。
手前の方のベッドに、見知らぬ男子生徒が眠っていたのだ。
「鍵が掛かってたから、もしや…と思ったけど、やっぱり…優貴(ユウキ)か。」
「知り合い…?」
「俺の幼なじみ。」
光琉も幼なじみがいるのか…。
妹もいるっていうし、私と環境が似ているところがあるんだな…。
フムフムと頷いていると、ベッドで寝ていた優貴君がゆっくり起き上がった。