王子様の危険な恋愛領域
「おはよ、光琉。」
「もう昼だぞ?お前…午前中の授業、全てサボって寝てたんだろ。」
「まあな。ちょっと体調が優れなくてさ。」
んーっ、と気持ち良さそうに背伸びをした優貴君は、こちらに近寄ってきた。
緩いウェーブのかかった、ミルクティブラウンの髪。
クリッとした目、スッと通っている鼻。
身長も高くて、光琉とほぼ同じぐらい。
この人も、女子からモテそうなルックスだ。
「あれ?光琉の隣にいる女の子が話題の彼女?」
「ああ。」
っていうか、彼女のフリしてるだけですけどね…。
心の中でこっそりツッコミを入れると、優貴君から興味津々そうな視線が注がれる。
「初めまして。俺、光琉と同じ…B組の有島(アリシマ) 優貴。光琉とは家も近所で幼なじみなんだ。よろしくね、紗姫ちゃん。」
「うん、よろしくね…。」
ニッコリ微笑む優貴君に、軽くお辞儀をした。
なんだか、人懐っこい笑顔だし、爽やかな印象…。
光琉とは正反対…って感じだな…。