王子様の危険な恋愛領域
「紗姫ちゃん、男子の間で話題沸騰中だよ。小さくって、あどけなくて、可愛い女の子だ…って。」
「か、可愛い?私が…?」
こんなチビで童顔の私が、可愛い…?
有り得ない…。
何かの間違いじゃないのかな…。
苦笑いを浮かべた。
「紗姫が話題沸騰…って、俺は知らねぇけど。」
「そりゃそうだろ。光琉は彼氏なんだから、わざわざ…お前のいるところで堂々と紗姫ちゃんのこと話題にしたりするかよ。」
「…それもそうか。」
素っ気なく納得している光琉。
若干、機嫌が悪くなったような感じがするのは、気のせいだろうか…。
ジロリと光琉の様子を伺っていると、優貴君がニコニコしながら私の顔を覗き込んできた。
「ところで、紗姫ちゃんは…光琉のどこが好きなの?」