王子様の危険な恋愛領域
邪魔だなんて、そんなことないよ…。
もっと光琉と話をしてもらっていて構わなかったのに…。
チラリ…と光琉に視線を向けると、目が合ってしまった。
「ん、どうした?」
「なっ、何でもない…。」
“二人きりになったら、一気に気まずくなっちゃったね”なんて、言えない…。
「何か言いたげな顔してるけど?」
「そ、そんなことないわよ…。それより、優貴君…体調悪くて寝てたみたいだけど、本当に大丈夫なのかな?」
自分の本音を探られないように、話をはぐらかした途端、光琉は眉間にシワを寄せる。
「紗姫。」
「な、何?」
「そんなに、優貴のことが気になるのかよ。」
「は…?」
「まさか、お前…優貴に惹かれてるわけじゃねぇだろうな…?」
光琉は、鋭い眼差しを私に向けた。