王子様の危険な恋愛領域
ほんのり甘いご褒美
「それでは、今日の授業は…ここまで。」
よしっ、これで午後の授業も終わり…!
先生が教室から出て行った後、すぐさま帰り支度を済ませた。
今日一日の流れから考えると、おそらく…放課後も光琉は私の教室に来る。
それで、“一緒に帰るぞ。”とか言うに違いない。
いくら彼女のフリしてるとはいえ、朝も昼も一緒だったんだから、せめて放課後は自由にさせて欲しい。
というわけで、さっさと帰らせてもらいます。
足早に教室を出ようとした瞬間、入り口でドンッと人にぶつかってしまった。
「痛っ……」
こんな時にぶつかるなんて、タイミング悪すぎ…。
とは言え、急いでた私が悪いんだから謝らなくちゃ…。
そう思いながら顔を上げた私は、目を見開いて固まってしまった。
「どうして、そんなに慌てて帰ろうとしてんの…?」