王子様の危険な恋愛領域
「あ、あの…光琉。」
「……何だよ。」
「私、ちょっと…図書室でテスト勉強して帰るから、先に帰ってもらえないかな…?」
その言葉に、光琉はピタリと足を止める。
「テスト勉強?中間テストは、この前…終わったばかりじゃねぇか。それに、お前…誰よりも早く帰ろうとしてただろ?」
「明日、化学の小テストがあるの!色々あって、今回は頑張らないといけないから…。」
小テストがあるのは本当だ。
最近、課題を出し忘れたり、追加の課題も出すのが遅くなったりで、先生からお叱りを受けている。
この流れで小テストの点数が悪かったりしたら、次は何を言われることやら。
下手すれば、私だけ補講なんてことも有り得る。
それは、回避したい。
さっさと家に帰って勉強しようと思ってたけど、予定変更だ。
勉強が理由なら、光琉も“ふーん、分かった”とか言って、アッサリと一人で帰りそうだし…。
それなら、私は…勉強が終わった後、一人でのびのびと帰れる…!
我ながら、いいアイデアだと思っていると…
「それじゃあ、その勉強に俺も付き合う。」
光琉から耳を疑うような言葉が飛んできた。