王子様の危険な恋愛領域
「んで、小テスト…どこから出題されるわけ?」
「え、えっと…この辺りから出すみたい…。」
隣に座った光琉に、該当のページを示す。
っていうか、近い…。
ソファーは3人ぐらい座れるような、ゆったりとした作り。
それなのに、光琉は体が触れてしまいそうなほど近くに居る。
「あのさ、光琉…。何も、こんなに近くに座る必要ないんじゃない?このソファー、大きいし…。」
「いいんだよ、これぐらいの距離で。」
当たり前のように、サラリと答える光琉。
普段、女の子たちが近寄ると、ウザそうな顔をしてるのに…。
この反応は…なんなの?
理解出来ずにいると、光琉は私のテキストを覗き込んだ。
「この出題範囲の中で、分からねぇところとか…あるのか?」
「えっ?」
「どこか分からねぇ箇所があるなら言えよ。俺が教えるから。」