王子様の危険な恋愛領域
そ、それって…。
もしかして…。
「勉強、教えてくれるの…?」
「ああ。なんだよ、その驚いた顔。」
「そっ、そりゃ驚くでしょ!だって、私の勉強が終わるのを…ジーッと待ってるだけだと思ったから…。」
そういう意味で“付き合う”って言ったんだとばかり思ってたのに、違ったのか…。
瞬きを繰り返す私に、光琉は少し呆れ気味に笑った。
「紗姫が勉強してんのをボンヤリ眺めてたって仕方ねぇだろ。憂鬱そうな表情から察するに、化学…苦手そうだし、お前が小テストを乗り切れるように協力してぇんだよ。」
「えっ…」
今、協力したい…って言った?
クールで無愛想な光琉が…?
あまりにも意外で衝撃的な言葉に、口をポカンと開けてしまった。
「固まってないで勉強始めろよ。じゃなきゃ、教えられねぇから。」
「ねぇ、光琉…熱でもあるの?」
「は?」
「だ、だって…なんか光琉らしくないよ。いつも、女の子たちに対する光琉の態度は…」
その先を言おうとした瞬間、光琉は私の顎に手を添えたかと思うと…
グイッと強引に上向かせた。