王子様の危険な恋愛領域

「ふーん、そうか。」


光琉からは、あっさりとした返事が返ってくる。


まあ、スイーツのことに興味なんて無さそうだし、当然の反応か…。


そう思いながら、帰り道を光琉と一緒に歩く。


私は、特に話したいこともないので沈黙。


光琉も、黙々と歩くだけ。


気まずい…。


これ、二人で帰る意味あるんだろうか…?


お互い会話も無いわけだし、付き合うフリなんて、学校の中だけにしようよ…。


心の中で溜め息を零しながら、トボトボと足を進める。


すると、その途中で突然…光琉の足がピタリと止まった。


「えっ、どうしたの?」


ひょっとして、光琉も…この気まずい空気に耐えられなくなって、ギブアップ宣言!?


一緒に帰るのは、この辺までにしておこう…的な発言が出るのかも…!


期待に胸を膨らませていると、光琉は直ぐ傍のコンビニを指差した。


「俺、ちょっと買いたいものあるからコンビニに寄る。紗姫は、ここで待ってろ。」



< 99 / 295 >

この作品をシェア

pagetop