Samsara


「恐くないんですか?

  逃げ出したくないんですか?」


死神は、

リーゼルの頬を

人差し指で 触れる。


「…恐くありませんよ。

  早くあたしを 殺して下さい。」


呪われた・あたしを。


リーゼルは、

この言葉を、最後に 付け足した。

悲しそうな瞳を しながら。



触れる 死神の手に

冷たい手を重ね

そして 強く握り締める、リーゼル。



そんな彼女に対し


「はっ、つまらない子ですね!」

「…っ!?」


声をはり

勢いよく 彼女の手を 振り払う。




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