Samsara
「スコーン、持ってきましたよ!」
「有り難う御座います。
今日の紅茶は…アールグレイですか?」
「ええ。
アッサムのミルクティーと迷ったんですが、
柑橘系の香りのアールグレイの方が
お好きかな、って思いまして。」
「ミルクティーも好きですが、
アールグレイも大好きなんですよ。
スコーンもね。」
「そうですか? それは、良かった♪」
本当に
十日前が 嘘かのように
二人の会話は
ほのぼのと していた。
…しかし。
そんな場面を止めたのは
リーゼルの方だった。