Samsara
「夢の声の主も、貴方と同じ声だった。」
「…なるほど。」
「どうして…? どうして…
私の夢の中での声を、変えなかったの!?
何で すぐに『夢の声は、私だ。』って
分かるように したの!?」
「…別に 理由なんか」
「嘘付かないで! 理由が 有るんでしょう?
あたしに…っ
何か 気付かせようとしていたんでしょう…!?」
リーゼルは
大きな声を出した為か
少し荒い息遣いをしながら
死神に問いた。
そんな彼女に対し
「女の勘は、良く当たりますね。
…いや。
人間の女の勘、と言った方が良いでしょう。」
死神は 少し懐かしそうな顔をした。