Samsara

「え…?」

「前の貴方とは、大違いだ。
 沢山の人々を殺した時の貴方とは、ね。」

「違う…その時のリーゼルは
      あたしじゃない…ッ!」


「分かっていますよ。
 百三十年前のリーゼルと 今のリーゼルは 違う。
           そんな事くらい。
 百三十年前のリーゼルは…
      私自身で 殺したくなるほど
            憎かったんですから。」


「私自身で 殺したくなるほど、って…
            まさか…ッ!?」

「…そう。その まさか、ですよ。
 私は、百三十年前に 生きていました。
            …人間の姿でね。」


< 29 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop