Samsara
「どうして!? 死神だったら…
人間の命を取る為の 鎌くらい持ってるでしょう!?」
「…持っていますよ。
だけど、私には 貴方を殺せない。」
「貴方は!
百三十年前のリーゼルの復讐をする為に
死神になったのでしょう!?
だったら! 殺せば良いじゃない!
生まれ変わりのあたしを!」
「…言ったはずです。
死を 目前にして
叫びも 恐がりもしない相手を殺すのは
…面白くない。」
「あたしが 恐がれば良かったの…?」
死神は 黙った。
「…恐がる事なんて できません。
だって…」
少女の
次の言葉に
死神は
言葉を失う。