Samsara


「嬉しかったんです…っ」

「嬉しかった?」


リーゼルの言葉に 対し、

死神は 聞き返した。


「今まで、良い名前、だなんて…

   言われた事が 無かったから…!」


死神の瞳を 見るのが

恥ずかしくなった彼女は、

床を見ながら 話し続けた。



「初めてだった…

  こんな良い言葉を貰ったの…!」


彼女の頬には、微かに、涙が流れていた。


< 8 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop