危険BOY'Sにキスをして。

「な…っ!?」

あたしは思わず口に出して、驚いてしまった。

「ほら、そこ!静かにしろ。」
「ぁ…」

桜井先生が、あたしの方向を見て言った。
イツキは、と言うと。

(はぁー…)
呆れたように、此方を見ている。

こうなったら、先生に謝らないといけないか…。

「すみま「すみません、先生。」…!?」

しかし。
後ろの男の声により遮られた。

「俺が李鈴さんに、先にしゃべりかけたんです 。
 先生が前で話していらしたのに、申し訳あり ません。」

「な…っ」

此奴のさっきと全く違う態度に苛つく…
と言うより、びっくりした。

「最初にしゃべり始めた、俺の責任です。」

ごもっとも、だ。
全部 全部、この生徒会長の所為だ。

…でも。

「有り難う…」

何故かあたしは、
こんな男に 感謝の意を小さな声で表していた。
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