危険BOY'Sにキスをして。
「今のが、あいつの本当の気持ちさ。」
「…!」
「あいつは、キミが 俺とキスしたって、
哀しみも 嫉妬心も見せなかった。
本当は、キミの事なんか好きじゃないんだ。 」
「…っ…」
気付いてた。
気付いてた、よ…?
さっきのイツキの態度を見て…
イツキが あたしに思っている気持ちが、どんなものなのか。
…でも。
気付きたくなかったんだ。
それを 現実として、受け入れたくなかったんだ。
こんなあたしは
ワガママですか…?
「だから、俺と付き合ったら?
俺だったら…
キミに 辛い思いはさせないよ?」
辛い思い、は させない?
そんなこと出来るのかな…?
“恋愛をする”
このこと自体、辛いことなんじゃないの…?
「アンタ、最低だよ。」
あたしは、この一言を 黒峰に言って、
部活も出ずに、家へさっさと帰って行った。
涙を出したいほど 辛い感情を
表に出さないようにして…。