危険BOY'Sにキスをして。

今。

朝の教室に 居るのは、あたしと…

「ぁ、李鈴さん。 私のこと…優子、って 呼んで良いからね!」

…優子。


「あたしの事も、名前で 良いよ?」

“女の嫉妬は、醜いもの。”

…そう、聞いたことがある。

だから、あたしは…
優子に嫉妬していた気持ちを 紛らわす為、笑顔で 返した。

「あのさ…、絵梨ちゃん?」
「ん?」

あたしは、この次の瞬間。
思いもよらなかった 質問をされる。

「貴方、もしかして…
 櫻井くんと 付き合ってるの?」

「な、なんで…!?」

焦った。

昨日の…
『両想い』
と、分かった 出来事。

それから、あたし達は…
付き合い始めたんだ。

なのに、もうバレちゃったの…!?

「1年の時から、貴方と櫻井くんが 仲良く話しているのを見てて、そう思ったの 。」

1年の時、か…。

あの時は…
ただ友達、としての関係 だった。

あたしは、あの時からイツキのことを好きだったのかも知れない。

ただ…
恋心に 気付かなかった、だけで。


「1年の時、ちょっと助けてもらちゃって…
 それから 少し仲良くなった、ってだけだから 。
 あたしは、アイツと 付き合ってないよ!」

内心…
「うん!あたしイツキと付き合ってるんだ♪」
と、言いたかった。

芸能人の彼と付き合っている、という事を
彼のファンである・優子に、自慢したかった。

でも、彼は 芸能人。
そんな発言、絶対にしてはいけない。

…それに。
「お互いの事が 好きで、付きあっている。」
と言う事も、定かでは 無いのだから…。
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