危険BOY'Sにキスをして。

「なんで…?」

「好きじゃないんでしょ?
 だったら、別に話さなくても良いじゃない。 」

「あたしは、だから 友人として…!」

「本当のこと、言ったら?
  櫻井くんの事“好き”って言ったら!?」

「…っ!」


言いたいよ。

言いたくて、しょうがないよ。


でも!

イツキには、迷惑かけたくないんだよ…。


「好きじゃない、って言ってんでしょ!?」

感情が高ぶってしまってしまった。


「あら、そう?
  …まぁ、貴方が 櫻井くんのこと 好きじゃなければ、それで構わないわ。」

「……」

「だから、櫻井くんに…
   無駄に近づかないでね?」


どうして?
どうして…?

「どうして、アンタに そんなこと 言われなくちゃいけないわけ?」

我慢、出来なかった。


「どうして、って…?
 それは、私が この学校の“櫻井ファンクラブ”の会長だからよ。」

櫻井ファンクラブ?
この学校に、そんなのがあったなんて 初耳なんだけど…。


「今 注目されている、人気モデルが!
  普通に、学校生活やっていけると思うの?」

「…普通に学校生活、出来てるじゃん。」

「貴方…馬鹿なのね?」

「な…っ」


そりゃ、あたしは 馬鹿だけど…!

でも!
クラス順位や 学年順位は、 いっつも真ん中だもの!
だから、そんなに馬鹿じゃない!!

…そう、 言いたかったけど、
言う前に 優子が 先に言った。


「私達ファンクラブが 櫻井くんの学校生活を、
   有意義にしてあげてるのよ。」


有意義に“してあげてる”?


この女…

何様のつもり?
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