危険BOY'Sにキスをして。

「イツキは、それで満足してるの?」

「満足…、してるでしょうね。」


「その間は、何?」と、思ったけど
今は、そんなこと言ってる場合じゃない。


「イツキ本人は…
 自分のファンクラブ会長である貴方の事を
 昨日まで、知らなかったみたいね?」

嘲笑うように、言ってやった。


「どうしてかしら…?」

「…っ…」

想像通り、だ。

優子が言うには、
「ファンクラブは、イツキを有意義に過ごす為 に活動している」と言っている。

でも。
イツキ本人は、 そのファンクラブの会長である、優子の事を知らなかった。

ようは、ファンクラブは イツキの目に入らないところ…
「陰で動いてる」という事になる。


…と いうことは、だ。

「優子、貴方の言う…
 “櫻井くんの学校生活を、有意義にしてあげ てる”は
 イツキ本人に対してする事、じゃない。 そうよね?」

「…っ、何が言いたいのかしら?」

「貴方達、ファンクラブが しているのは…」


何も言えない優子に対し、 あたしは とどめを言い放つ。


「イツキの事が、好きな女の子に対する

  “虐め”の事じゃないの?」
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