危険BOY'Sにキスをして。

「アハハ!」

「…!?」


優子のいきなりの笑い声に
あたしは、びっくりした。

「探偵ごっこでも、やってるつもり?」

あたしは、好きでこんな推理をしてるんじゃない。

ただ、優子に…
“本当のファンなら、どうするべきか”を教えてやりたいだけ。

「馬鹿にしては、良い推理だわ!」

馬鹿、は 余計だ…!
優子の態度に、あたしは 再び苛ついてしまった。

「正解よ。
  私達ファンクラブは、櫻井くんにとって
  邪魔な人間を…始末してるの。」

「イツキにとって、邪魔な人間?」


イツキが

「ファンは、邪魔な存在」

って、思っているワケが ない。


どんなにキツイ時でも

どんなに苛々してる時でも

イツキは
「営業スマイル」を やっていた。


イツキが モデルになる前から、
ずっとずっと傍にいた…
このあたしが一番よく分かってるもの。


…だから。
あたしは、言った。

「貴方達、ファンクラブにとって…
 “邪魔な人間” の、間違いでしょ?」
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