危険BOY'Sにキスをして。

「…貴方「おはよう、絵梨チャン。」…!?」

優子が 何か言おうとすると、
それを、とある人物が挨拶により塞いだ。

きた人物は
「挨拶を返さないと何かする」
そのようなオーラを出していたので、
あたしは、しょうがなく挨拶を返した。

「おはよう…」

…しかし。

「気持ちが入ってないな~」

そいつは、黒い笑みを 浮かべていた。

「お・は・よ・う。」
一文字一文字、丁寧に言った。

…すると、こいつは。

「絵梨チャンって、もしかして…
 俺にキスされたいワケ?」

そんなワケねェだろ!
どんだけ、お前は 自意識過剰なんだよッ!?

あたしはさ!
アンタが「きちんと言え」みたいなことを言っ たから、きちんと言っただけだよ!?

…そうかい。
敬語で言わなきゃ駄目、だって?

だったら、お望み通り…
嫌味っぽく、言ってあげますよ。

「違います。むしろ、その逆です。
  おはようございます、生徒会長様。」

「“ご主人様”だって?
 俺が、絵梨チャンの主人になった覚えは 無いけど…
  俺専属のメイドに、そんなになりたいのなら 、なっても良いよ? 今すぐなるかい?」

なりたくねェよ!
そんなの、毎日が地獄だしっ!!

つーか!
“ご主人様”とか、一言も言ってないし、言いたくもないし!!

どんだけ、この男…
耳、悪いんだよ!?

…と、
黒峰の言っている事に“脳内で”返事をした。

口に出したら…
何をされるか 分からないから、だ。


「…ちょっと。」

「「…!?」」

黒峰との会話で、すっかり忘れてた。


「私を無視しないでくれる?」

…優子のこと。
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