危険BOY'Sにキスをして。

一体、何なわけ…?

「ちょっと、離してよ…ッ!」

「絵梨チャン、言ったよね?」

「なにが…!?」

「“かっこいいから、 誰も拒否らないでしょ”って。」

「…ぁ。」

言ったよ。
言いましたとも。

「…というワケで。食べようか♪」

やられた。
腹黒男にやられた。


「……」

「……」

何もしゃべらないまま、
時間だけが 過ぎてゆく。

「……」

「ご馳走さま。」

「はや…っ!」

「……」

「……」

食べ始めて、5分も経たないうちに
ヨウが「ご馳走さま。」って言ったから、
早いな、っと思って 声出しただけなのに…。

また、無言の空間が続くわけ!?
いい加減に、してほしい。

無言の空間に、あたしの食べる音…。

どんだけ食べにくい事なのか、
この腹黒男は、分かってるのか…!?


…すると。

「ねぇ、絵梨チャン。」

黒峰の方から、話しかけてきた。


「キミは、今日から…
  僕のモノだから。」

「ゴホッ、ゴホ!」

水筒のお茶を 飲んでいる時に、言われたものだから…
むせてしまった。

「食べながら…汚いな、全く。」

「うるさいっ!」

「言葉づかいも、汚い。」

「アンタは、あたしのお母さんか!!」

どうして、こう…
ヨウは、あたしをイライラさせる要素を沢山持ってるワケ!?
一種の才能かよ!?

「もう一度言うよ?」

言わなくて、良いし。

「キミは、今日から僕のモノ。
   …異論は、無いよな?」

「異論、ありすぎだっつーの!」

「異論がある、って?
 絵梨チャン、キミ頭大丈夫かい?」

「大丈夫だしっ!!」

いきなり…
「キミは、今日から僕のモノ」
って言われて、異論が無い方が 頭おかしいし!

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