スキ、キライ、スキ、
「ありがとう」と言われてまんざらでもない気持ちになる。

でも、私は実悠の入ってる委員会を知らなかった。

その事に気付いたのは、実悠が何処かに行ってしまった後だった。

唯一知っていることは雄樹君が一緒、ということ。

私は仕方なく雄樹君に話しかけることにした。

「ゆ、雄樹君!」

「ん?どーした、玲音。俺今から委員会なんだけど……」

「あ、その委員会のことなんだけど!実悠って何委員会だっけ……?」

緊張する、とか思ってたけど、いざ話してみるとそこまで緊張しなかった。

絶対パニくると思ってたのに。


やればできるじゃん、私。

でもそれは本当に好きじゃないから__?

「……音?玲音?聞いてるか?」

此方をのぞきこむようにして見ている雄樹君が目の前にいた。

「あぁ、ごめん。ちょっと考え事を……」

アハハ、と笑って誤魔化す。

雄樹君鈍感そうだから大丈夫だと思うけど……

「ん、そうか。まぁいいや。あ、で、実悠の委員会は学習委員会だけど……」

「雄樹君もだよね?」

「お、おう。そうだけど……」

不意を付かれたみたいな表情をする雄樹君。

「実は、実悠に委員会変わってって頼まれてるんだ」

「そうなのか?じゃあ一緒に行くか。」

そう言うと、早足で委員会が行われる教室に向かう。
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