シンデレラのSweetなお時間



「いたた…」



顔を上げるとそこには、転んだ私を庇ってくれたのであろう澤村主任の顔。

現状を把握するように見れば、押し倒す形でその体に乗っかってしまっていることに気付く。



「…、…」

「……」





ぴったりとくっつく体

触れる体温が、肌が

彼を男の人として、意識させて





「す、すみません!」

「…あ、あぁ」



真っ赤に染まる顔を押さえる余裕もなく、私はバッと体を起こし飛び退いた。



「……」





バクバクと鳴る心臓

一瞬触れただけなのに、全身の熱が沸騰しそう。





「…、」



チラ、と見ればほのかに染まっているその頬。それから感じるのは彼の照れ。



「……」





彼も同じように

ドキドキ、してくれている?

触れた体、ひとつに




< 111 / 273 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop