シンデレラのSweetなお時間



「安藤、この書類の入力を頼む」

「はっはい!」



それでもやはり仕事はきちんとこなさなければならないもので、急ぎ足で玲二さんのデスクへと駆け寄る。



「ここを入力の際注意してほしいんだが…」

「?はい…」



彼は書類を手渡しながら、指示をするように顔を近付ける。



(わ、近い…)



「…ー、」


その時一瞬だけこちらを見て、聞こえるか聞こえないかくらいの音量で、小さく囁いた言葉。



「…では、頼んだぞ」

「……」

「俺は朝一の会議に出てくる。何かあれば呼びにきてくれ」

「はーい」



それだけ言って、玲二さんはなんてことない顔のままスタスタとオフィスを出て行った。



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