シンデレラのSweetなお時間
six
顔を上げたら
世界はすごく眩しくて、綺麗で
広がっていたのは知らない景色
だけど怖くなんてない
歩き出す勇気を、あなたがくれたから
ーガチャ…
「…こ、こんにちは」
ある日の仕事終わりの夕方、いつもの撮影スタジオで私はドアを開け顔を覗かせた。
そこには今日も、一人先に支度を始めていた航さんの姿。
「おー…玲二は?」
「玲二さんなら少し遅れるそうです」
「ふーん…」
相変わらず素っ気ないその態度にもさすがの私ももう慣れたもので、事前に玲二さんから渡された衣装の入った紙袋を持ってスタジオへと踏み込んだ。