シンデレラのSweetなお時間

「あ、安藤！？」

「すみませ…、うれ、しくて…つい…」

「だからって泣くな！泣き止め！」

「無理です〜…」



道の真ん中ということも忘れ子供のように泣き出す私に、泣かれることに弱いらしい彼は珍しくオロオロと困った顔になる。



「…ぐすっ、うっ…」

「…、」



けれど次の瞬間、その腕はぐいっと私の体を引き寄せ、頭を胸元へ押し付けるように抱きしめた。



「…玲二、さん…？」

「…泣き止むまで、こうしていろ」

「……」





周りに泣き顔を見せないように、そっとぎゅっと抱きしめる腕。



(…玲二さんの、匂い)